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糖尿病の治療は、合併症の発症・進行を予防するために高血糖を是正すること、つまり血糖コントロールがすべての基本となります。血糖コントロールの手段は食事療法、運動療法、薬物療法の三つが柱となります。
食事療法
糖尿病であるなら、食事療法は絶対に必要です。食事で余分なエネルギーをとってしまうと、それを処理するのは大変だからです。適切なエネルギー摂取量に抑えるほうが、血糖コントロールをより楽に行えます。実際、食事が乱れていれば、ほかの治療法の効果はあまり反映されません。その意味でも、食事療法は糖尿病治療の根幹となる治療法です。2型糖尿病の場合、厳格に食事療法を守るのであれば、7割以上の患者さんがそれだけでコントロールが可能です。具体的には油であげたカラアゲ、ジャンクフード、甘いチョコレートやお菓子の摂取。喫煙はしないなど栄養バランスのとれた食事の仕方を習得するようにします。日本糖尿病学会が出版している「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用するのもいい方法ですね。最近では、糖尿病食のレトルト食品、カロリー計算された食事・食材の宅配、栄養計算が簡単にできるコンピューターソフトなど、食事療法を手軽にマスターするための多方面からのサービスが向上してきています。詳しくは(社)日本糖尿病協会のホームページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/tounyou/index.html運動療法
運動で体内に余分に溜まったエネルギーを消費すると血糖値は下がります。また、インスリンの細胞レベルでの働きが高まり(インスリン感受性が高くなり)、血糖コントロールがしやすくなります。さらに、血行がよくなる、ストレスが解消される、皮下脂肪が減る、骨格筋が増える、生活の活動度が高まるなど、多くの効果を得られます。運度の種類は、日常できるものならどんな運動でもかまいませんが、バーガー体操やブラブラ体操などのように手軽にでき、全身を動かすものが勧められます。それまであまり運動をしていなかった場合には、次第に強い運動に移るようにしてください。週末だけとか、運動の間隔があきすぎるのは好ましくなく、できれば毎日15分程度でできる手軽な運動を選びましょう。それには「歩くこと」が最も勧められます。
薬物療法
食事療法と運動療法だけではコントロールがうまくできない時、薬物療法を追加します。
経口血糖降下薬(飲み薬)を用いる内服療法と、インスリンを注射で補充するインスリン療法の、ふたつの
形式の薬物療法が行われています。 経口血糖降下薬は膵臓からのインスリン分泌を増やしたり、細胞の
インスリン感受性を高めて血糖値を下げます。インスリン療法は直接体外から補充したインスリンが、血糖
降下を助けます。どちらの薬物療法をいつから始めるかは、患者さんの糖尿病のタイプや病状、合併症の
進行具合など、さなざまな要因を総合して決められます。
参考資料「糖尿病患者のフスフレーゲ(フットケア)」
「糖尿病のフスフレーゲ(フットケア)」